(Ⅹ)にゃんこ亭の猫たち ②大吉バイオレンス

DV時代 飼い猫
DV時代

(Ⅹ)にゃんこ亭の猫たち ②大吉バイオレンス

 

大吉が我が家の猫におさまって、

しばらくの間、わたしの手の甲や腕には、

ひっかき傷の絶えることがなかった。

 

ただ、乱暴猫だったわけではない。

名誉のためにいうけれど、

大吉の、いやがることを したのである。

 

そのひとつは、外から帰ったときに、

全身くまなく、拭かれるからであった。

もうひとつは、肝臓の薬をのまされることだった。

 

・・・ ・・・

シャーシャーと 気炎を吐き

うなる

ひっかく

かみつく

 

サワルンジャネェと

わめきちらす

 

それなのに

帰ってくるたぁ

なにごとダ!!

 

・・・ ・・・

ねずみちゃんキャッチ!

ねずみちゃんキャッチ!

 

「時」とは偉大であり、

「慣れ」とは有難いものである。

大吉はしだいに体を拭かれることに慣れ、

薬を飲むことも日常となった。

わたしも工夫をかさねた。

いちばんの工夫は、

「誉める」ということだった。

誉められることで、

なんと、高みをめざすのだった。

 

「いいこね」

「おりこうね」

「すばらしい」

「かっこいい」

「ハンサムキャット」

賞賛の数々。

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