(Ⅹ)にゃんこ亭の猫たち ③便秘の猫

便秘の猫 飼い猫
うー出ない・・・

(Ⅹ)にゃんこ亭の猫たち ③便秘の猫

 

大食漢が、

あれもイヤ、これもイヤというようになって、

くちが肥えたのだと思っていた・・が、

大吉は、ひどい便秘に苦しんでいたのだった。

 

体が大きいからか、

猫用のトイレが窮屈で、

外で用をたしたがった。

庭の花壇をつぶして、

一畳サイズの大型トイレを作ったものの、

そこを使うのは«まれ»で、

お気に入りの場所が、どこかにあるらしかった。

 

反省してもしきれないが、

大吉の便秘に、

わたしは、しばらくの間、

気づかなかったのである。

 

・・この便秘は、

ケンカで大怪我をしたときに、

抗生剤を幾度も投与したことが、

原因ではないかと考えている。

やわらかく煮たサツマイモを、

大吉の食餌に混ぜたりもしたが、

ほとんど改善しなかった。

 

獣医のお世話になったときには、

便はカチカチのセメント状になっていて、

処方された三種類の薬でも、

もはや効果はなかった。

 

そこで とうとう、

便を掻きだす手術に ふみきった。

«便秘で入院した»というと人は笑ったが、

笑いごとではなく、

全身麻酔の おおごとだった。

二日間の入院のあと、

生涯、三種類の薬を服用することになってしまった。

 

[一日一回]

・プロミナド 2分の1錠

[一日二回]

・モニラック(水薬)2cc×2

・ひまし油 小さじ2分の1×2

 

~ ~ ~

 

秘すれば花

という

おくゆかしいことばをまねて

うつくしい

ひめごとのように

秘するは便

とつぶやいてみる

 

三つの薬の力をかりて

大吉の ひめごとよ

どうか

すんなり

出てきておくれ・・

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