(Ⅻ)にゃんこ亭の猫たち ⑤猫ドアを要求する大吉 (その1)

不敵に嗤う猫 飼い猫
不敵に嗤う大吉

(Ⅻ)にゃんこ亭の猫たち 

⑤猫ドアを要求する大吉 (その1)

 

我が家では猫ドアを付けていない。
でも、猫ドアがあったら便利だろうと、
ある時期、ずいぶん検討したのだった。

しかし、
大吉が子ネズミをくわえて帰って以来、
『猫ドア』という言葉は、
我々の脳裏から、ぷっつりと消えた。

どんな[おみやげ]を持ち帰ることか、
想像するだに、おそろしや、である。

知り合いの家では、取り付けた猫ドアから、
夜中に他所の猫がはいりこんで、
飼い猫と壮絶なバトルを繰り広げたあげく、
飼い猫が大怪我をしたという例もある。

大吉は、クロミちゃん宅で、
猫ドアを知ったらしい。
あれさえあれば、
出るも自由、入るも自由と、
思ったのかもしれない。
あるとき、無い知恵を絞った。

『そとにだしてよ』と、かわいく鳴く。
ドアを開けて出してあげる。
ここまでは、いつもどおり。

3分も経たぬのに『入れてよ!』と鳴く。
「おや?」何かあったのかなと、
ドアを開けるとサッと入ってくる。

【出たり入ったりを繰り返す】という計画。

外に出たい猫

外に出たい・・・

・・今にして思うと、
大吉の白い顔には、
怪しい嗤いが浮かんでいたのだった。

大吉めは、
この計画を夜中も決行する事に決めた!

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