第二部Ⅲ ⑨キャットウォーク作り[その2]
突っ張り物干が届いた。
天井に突っ張るための棒二本と、長さが変えられる竿一本。
突っ張り棒には30㎝ほどの受け具が付いていて、
受け具は、好みの位置に固定できる。
突っ張り棒にも竿にも
白い地にうすく木目のような模様がある。
な~るほど。確かにベランダ用とは違う。
ちょっと上品なかんじ。
ふ~ん。なかなかいいんじゃないの!
猫が歩くための板はデコパネという材に決定。
この材は発泡スチロールを圧縮したもので、
軽いうえに、超硬いというスグレモノだ。
そうはいっても厚さが5ミリと、かなり薄い。
一枚では安定性に欠けるなぁ・・。
二枚合わせにしたほうがいいかも・・なんてことを考えていたら、
片面に接着材がついているデコパネを発見!
いいね!簡単に二枚合わせの板ができる。
すでに私の頭の中には、
完璧なキャットウォークが出来あがっていた。
うれし気に歩く凛の姿もバッチリ!
しかしながら、夫は疑心暗鬼であった。
私の頭の中はドラえもんのポケットだとのたまう。
現実には作れないものや、存在自体危ぶまれるものが、
ポケットの中では出来上がっている、と言うのだった。
失礼な!!!
私はたいていの事は、やり遂げる!
失敗はごくごくまれである・・と思う。
二枚合わせにしたデコパネは超頑丈。
これなら、凛がドスドス走っても大丈夫だ。
さぁて、好みの幅に切ろうっと!
ワクワクしながらカッターナイフを入れた。
あらら・・なんということでしょう・・
強力な接着剤は、カッターナイフの刃もくっつける。
デコパネからやっとのことで引き抜いた刃には、
ベタベタの接着剤が付着している。
ベタベタは取れない。
ベタベタが付いた刃は使い物にならないのだった。
ひとつ幸運だったのは、カッターナイフの刃は、
パキパキ折って、新しい刃に出来るってこと!
カッターナイフの刃を一枚、折る。
力を入れて数センチ切る。
引き抜くときも力いっぱいだ。
刃にはベタベタがくっついてくる。
また刃を一枚折る。
これを幾度も繰り返しているうちに、
私たちは疲労困憊した・・・。
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