第二部Ⅶ ⑦錯視による考察? その3
ゴソゴソガサガサ・・・
おもちゃを引っかき回して、
なにかを取り出そうとしている。
そうとう難儀している様子だ。
一生懸命くわえようとしているのは、
猫じゃらしだった。
長い棒が引っかかって出てこない。
「お・・これですか?」
取ってあげると、
『そうそう、それよ!
これから、あそぼうね』という。
おもちゃで遊ぶなんて、
近頃ではめずらしいので、
私もなんだか嬉しくなって、
盛大に猫じゃらしを振り回した。
すごい勢いでくいついてくる。
ジャジャジャジャ・・
爪が床を蹴る音も盛大だ。
子猫時代が戻ってきたみたい!!
・・と、
ぱっと動きを止めた。
じっと、私を見上げている。
もういいかな、
気が済んだかな、
というまなざしだ。
そして、
『はい。おしまい。
また、そのうちあそんであげるね。
じゃ、きょうは、これでね』
ゆうゆうと寝室に去った。
しばらくして様子を見に行くと、
気持ちよさそうにお昼寝していた。
なるほど!
そうだったのか!
凛は、私と遊んでくれたのだ!
カ二ッツアのおかしな正方形を、
いそいそ作る私を見て、
凛は私が遊びたがっていると、
理解したに違いない。
凛はいかにも猫の部分もある。
それでも、
人語を理解し、あれこれ忖度する。
精神的にかなり大人なのだと、
気づいた一幕だった。
カ二ッツアの正方形による考察は、
『オバも遊びたいらしい』かな。
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