第二部Ⅷ ①なんの怒り? その1

飼い猫
どうしてくれよう・・・

第二部Ⅷ ①なんの怒り? その1

 

オジが所用で外出した。
家を出る前に、
「オジはお出かけだよ。
明日、帰るからね」
凛に説明していたが・・・

さて、翌日夕方オジは帰宅。
それを確認するや、
凛はどこかへ雲隠れした。

そのうち出てくるだろうと思っていたが、姿を現さない。
夕飯も食べない。
大好きなチュールにも知らんぷり。
いったいどうしたんだろう

さんざん探したところ、
私のベッド下に隠れていた。
私にはすり寄ってくるけれど、
オジの気配を感じると、
すばやく別の場所へ移動する。

なにかを怒っているらしい。
怒りの対象はオジらしいが、
オジには見当も付かない。

くすぶる怒り

~~~~~~
さて、思い出すのはクロミだ。
クロミの美意識!
その美意識にそぐわないペンダントには、見向きもしなかった。
猫にそんな好みがあるなどと、
昔の私は考えたこともなかったから、
「猫のくせに」と笑ったものだった。
そして、伝わらないもどかしさに、
クロミは怒りに燃えたのだった。
~~~~~~

凛のまなざしは、
あの時のクロミと同じなのだった。かたくなな態度もそっくりだ。

翌日も態度に変化は見られない。
あいかわらず怒っているのだった。

ぷん!

つづく

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