(Ⅴ)にゃんこ亭の猫たち ⑨写真から気づいたこと
3匹の常連猫たち(クロミ、ミケ、タク)には、
にゃんこ亭での序列があった。
一番は、いわずと知れたクロミちゃん。
二番に甘んずるのは、ミケちゃん。
三番は、タクちゃんである。
この序列は、なかなか厳しくて、
たとえ朝一番に三番目のタクちゃんが来ても、
三番は三番で、決して一番とはならず、
序列が崩れる、などということにはならなかった。
三番目のタクちゃんは、物置の上も、やっぱり三番目・・。
あれ・・?
ちょっと、待って!
一番のクロミちゃんは、センターの位置にいる。
二番のミケちゃんは、クロミちゃんの隣。
タクちゃんは、間隔をあけて端にいる・・。
いつも、いつも、三匹はこの並びかただった。
上の写真を見ているうちに、わたしはあることに気づいた。
タクちゃんとクロミちゃんの間にあいている場所・・。
そこは、亡きクマちゃんの場所だったということなのだ・・!!
(この事に気づいて、わたしは泣けてしかたなかった)
猫たちにとって、クマくんは特別な存在であるらしかった。
【(7)里帰り猫ご紹介ページ ③黒猫のクマくん 参照】➡
クロミちゃんでさえ、クマくんには一目置いていた。
飼い主のМ氏が、目の中に入れても痛くないほど、
かわいがっていた猫だったということもある。
その「クマんち」に、後から入っても、
クマくんは、あっさりとクロミ姉妹を受け入れてくれて、
嫌がったりも偉ぶったりも、しなかったからだと思う。
(ありし日のクマくん)
それに加えて、タクちゃんにとってのクマくんは、
頼りがいのある優しいアニキだったのだろう。
【(Ⅱ)にゃんこ亭の猫たち ⑥タクちゃん 参照】➡
クマくんがこの世からいなくなっても、
タクちゃんは、こんなふうに、クマくんの場所をあけておく。
そして、クロミちゃんやミケちゃんも、
その事を、当然だと受け入れているようなのだ。
クマくんが虹の橋を渡って逝ってしまった時、その事実を、
他の猫たちは分かっているのだろうか、と思っていたけれど、
もちろん理解して、そのうえ悼んでいるのだと知った。
しかも、いつまでも、忘れないで、
上の写真のように場所をあけておくなんて・・。
【(Ⅲ)にゃんこ亭の猫たち ③クマくんの死 参照】➡
わたしたちは、人間だけが死者を悼むと思っている。
けれど、それは、どうやら違うようだ。
心に残して、いつまでも忘れない・・。
そんな、静かにしみいるような悼みかたを、猫もするらしい・・。
※今日は、猫たちの序列の、
おもしろいお話をお届けするつもりでしたが、
それは、また、別の時に・・。
コメント