第二部Ⅱ ⑦猫っかぶ凛
ある年、胡蝶蘭の大鉢をいただいた。
大事に世話をしていると、毎年みごとな花を咲かせてくれる。
あんなに美しい花なのに、かなりたくましい。
令嬢かと思いきや、下町のおきゃんな女の子という風情。
2016年2月。
この年もはやばやと、大きくてみごとな花が咲きはじめていた。
サンルームがちょうど良い温度なのかもしれなかった。
ところで、サンルームは猫も好きらしい。
ひがないちにち、
胡蝶蘭の置かれているチェストに横になって飽きないのだ。
胡蝶蘭の鉢は大きいので、寄りかかっても動かない。
・・しかし、その日はちがった。
寄りかかってヨガのポーズのように足をあげていたところ、
突然、ズルリと鉢ごと大きくずれ動いた。
そして、あれよあれよというまもなく、床に落ちた。
ガシャ!!!
鈍い音がした。
大きな鉢には上から下まで斜めに亀裂が走った。
あ!あーあー!!たいへん!
一つの茎が根元からポッキリと無残に折れた。
凛も驚いたらしい。
突如、ゲロを吐いた。
飼い始めて4か月で初めてのゲロ。
子猫に怒っても仕方がないので、
あら~・・
とガッカリした声を出した。
ところが凛は、
この日から、日常的にゲロを吐くようになった。
いったいどうしたわけだろう。
まるで化けの皮がはがれた感じ。
いや、猫っかぶりだったのかもしれない。
きっと、そのどちらもかもね・・

猫っかぶり凜
その後、
化けの皮がはがれた猫っかぶ凛は、
猫タワーの上からだろうが、
ちゅうちょなく、
ゲロを吐いてくれます。シクシク…
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