😽 あるとき、猫の自殺行為に関する記述を読んだことがありました。
最初は、にわかには信じられませんでした。
今日は、そのことを彷彿とさせるようなお話を、お届けしたいと思います。
とはいっても、天寿を全うした猫の物語なので、ご安心下さいね(=^・^=)
(Ⅵ)にゃんこ亭の猫たち ②シンバくん
白地に茶色の模様の猫がどこからか現れた。
雄猫だったが、荒ぶる様子はなかった。
すでに去勢手術がなされているらしい、ということだった。
棄てられたのだろうか?
それにしては、穏やかで、野良猫感がない。
汚れてもいないのだった。
![さまよう猫](https://nekotukai.com/wp-content/uploads/2021/09/071a8cfad40f2dcfd97272ec9c585ac5-300x298.jpg)
さまよっていた頃
猫の保護活動をしていた友人のK子さんが、ひとまず保護。
ところが、彼女の家の雄猫と相性が悪いらしい。
「家に入れると、大げんかになる」と困っていた。
とりあえず、名前を【シンバ】と決めて、
飼ってくれる人を探しているところだった。
その頃の出来事。
やはり猫好きの友人Fさんが、庭の手入れをしながら、
歩道にポツンとたたずむシンバくんに眼を止めたそうな。
(シンバくんだ。何やってるのかな?)
なんとなく気にかかって、そのまま様子を見ていた。
シンバくんを見つめるFさんは、
角を曲がって、車が入って来たのに気づいた。
私道なのでスピードは落としていたが、
車は、がっしりと大きな四輪駆動だったという。
と、くだんのシンバくん。
何を思ったか、花壇の陰から車道に飛び出した。
「シンバくん!あぶない!!」
Fさんは、おもわず大声をあげた。
声が聞こえたものか、シンバくんは途中で足を止め、
四駆も、猫が飛び出した事に気づいて、急停車した。
すんでのところで、大ごとは回避された。
「シンバくん、死のうとしたのじゃないかな・・
猫って、自殺行為をするんだって・・」
Fさんの顔にひろがった驚愕の表情は、今も忘れられない。
シンバくんの心の中を推し量ることはできないけれど、
なにか大きな絶望感にとらわれていたとしたら、
猫といえども、死を決意するのかもしれない。
~ ~ ~ ~
😽[その後のシンバくん]
![猫ごろり](https://nekotukai.com/wp-content/uploads/2021/09/bf3db99a3b305c173649f3b92aba66c1-300x187.jpg)
シンバくんごろり
一度、他の家に貰われていったものの舞い戻り、
猫の保護活動をしているK子さん宅の、正式な飼い猫となった。
つまり、シンバくんがK子さんを選んだ、ということだろう。
![猫ごろり](https://nekotukai.com/wp-content/uploads/2021/09/45d2b5d3e2a9f21d1749dfa59965bc82-300x204.jpg)
シンバくんごろり
相性の悪い猫がいるために、家に入るのを嫌がったので、
Fさんのご主人が発泡スチロール製の素敵なハウスを作ってくれた。
それは、しばらくの間、玄関前に置かれていた。
しかし、いつの間にか、家に入ることができていた。
相性の悪かった猫とも折り合いをつけたようだった。
そして、九年後、K子さんに看取られて天寿を全うした。
※「シンバは、塩じゃけが好物だったの。
もとの飼い主は、高齢の方だったんじゃないかと思うわ。
塩じゃけ好きだからってわけじゃないわよ。
穏やかだったからね。かわいがられていたと思うの。
その方が亡くなったかして、家を出て来たのかもしれない・・」
・・飼い主のK子さん談である。
コメント
シンバ君、名前に負けない風格がありましたね。
優雅に歩いていた姿をよく見かけました。
忘れていましたが、そんのこともあったんですね。
そうそう、うちのがお一人様用の家をつくりましたね。ちゃんと煙突と窓があって、中々素敵で笑っちゃいました。
ご本にゃんは鮭が好きだったんですね。懐かしいですね。