(Ⅵ)にゃんこ亭の猫たち ②シンバくん

猫の名札 庭猫 
ペンダントにシンバの名が!

😽 あるとき、猫の自殺行為に関する記述を読んだことがありました。

最初は、にわかには信じられませんでした。

今日は、そのことを彷彿とさせるようなお話を、お届けしたいと思います。

とはいっても、天寿を全うした猫の物語なので、ご安心下さいね(=^・^=)

 

(Ⅵ)にゃんこ亭の猫たち ②シンバくん

 

白地に茶色の模様の猫がどこからか現れた。

雄猫だったが、荒ぶる様子はなかった。

すでに去勢手術がなされているらしい、ということだった。

棄てられたのだろうか?

それにしては、穏やかで、野良猫感がない。

汚れてもいないのだった。

さまよう猫

さまよっていた頃

猫の保護活動をしていた友人のK子さんが、ひとまず保護。

ところが、彼女の家の雄猫と相性が悪いらしい。

「家に入れると、大げんかになる」と困っていた。

とりあえず、名前を【シンバ】と決めて、

飼ってくれる人を探しているところだった。

 

その頃の出来事。

やはり猫好きの友人Fさんが、庭の手入れをしながら、

歩道にポツンとたたずむシンバくんに眼を止めたそうな。

(シンバくんだ。何やってるのかな?)

なんとなく気にかかって、そのまま様子を見ていた。

 

シンバくんを見つめるFさんは、

角を曲がって、車が入って来たのに気づいた。

私道なのでスピードは落としていたが、

車は、がっしりと大きな四輪駆動だったという。

 

と、くだんのシンバくん。

何を思ったか、花壇の陰から車道に飛び出した。

「シンバくん!あぶない!!」

Fさんは、おもわず大声をあげた。

声が聞こえたものか、シンバくんは途中で足を止め、

四駆も、猫が飛び出した事に気づいて、急停車した。

すんでのところで、大ごとは回避された。

 

「シンバくん、死のうとしたのじゃないかな・・

猫って、自殺行為をするんだって・・」

Fさんの顔にひろがった驚愕の表情は、今も忘れられない。

 

シンバくんの心の中を推し量ることはできないけれど、

なにか大きな絶望感にとらわれていたとしたら、

猫といえども、死を決意するのかもしれない。

 

~ ~ ~ ~

😽[その後のシンバくん]

猫ごろり

シンバくんごろり

一度、他の家に貰われていったものの舞い戻り、

猫の保護活動をしているK子さん宅の、正式な飼い猫となった。

つまり、シンバくんがK子さんを選んだ、ということだろう。

猫ごろり

シンバくんごろり

相性の悪い猫がいるために、家に入るのを嫌がったので、

Fさんのご主人が発泡スチロール製の素敵なハウスを作ってくれた。

それは、しばらくの間、玄関前に置かれていた。

 

しかし、いつの間にか、家に入ることができていた。

相性の悪かった猫とも折り合いをつけたようだった。

そして、九年後、K子さんに看取られて天寿を全うした。

 

※「シンバは、塩じゃけが好物だったの。

もとの飼い主は、高齢の方だったんじゃないかと思うわ。

塩じゃけ好きだからってわけじゃないわよ。

穏やかだったからね。かわいがられていたと思うの。

その方が亡くなったかして、家を出て来たのかもしれない・・」

・・飼い主のK子さん談である。

コメント

  1. ぷくぷく より:

    シンバ君、名前に負けない風格がありましたね。
    優雅に歩いていた姿をよく見かけました。
    忘れていましたが、そんのこともあったんですね。
    そうそう、うちのがお一人様用の家をつくりましたね。ちゃんと煙突と窓があって、中々素敵で笑っちゃいました。
    ご本にゃんは鮭が好きだったんですね。懐かしいですね。

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