(3)ぞうきん猫 ⑥子猫を育てるということ

庭猫 

(3)ぞうきん猫 ⑥子猫を育てるということ

 

子猫たちはときおり、一匹ずつ濡れ縁の下に降りていく。
ぞうきん猫が首をくわえて連れていくのだ。
なんのために下に連れていくのかと思っていたが、そのうち分かった。

サンルームの角から濡れ縁の下が見えるのだが、
猫のものではない長いしっぽがかいま見えた。
・・うすいピンクがかったしっぽには、
特徴あるしましま模様が確認できる。毛はない。
あれは・・
「ねずみだ!」
しっぽの長さだけでも、ざっと20センチはありそうだ。
きっと、とんでもない大ねずみにちがいない。
ドキドキした。
明日の朝、大ねずみの残骸を始末しなければならないのは、
「ひょっとしたら、わたし?」
・・いやな汗が背中を流れた。

外は大風が吹きまくり、大雨がたたきつけるように降り続いていた。
その風や雨が一瞬小やみになると、縁の下から、
『ガリ!』という不気味な音が聞こえた。
あれは、大ねずの骨を砕き肉を噛みちぎる音ではないか!?
クラクラした。
・・どうしたらいいだろう・・。
考えたって、しょうがない。
わたしは、無残な残骸を始末する覚悟を決めた。

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