(6)5匹の子猫 ②むじゃきな子猫たち (7月) 

庭猫 

(6)5匹の子猫 ②むじゃきな子猫たち (7月)

 

子猫たちは、元気いっぱいである。

駆けまわっていたかと思うと、

お団子のように丸まり、

はじけるようにパッと散って、

思い思いの行動をとっていたりする。

ひとつところに、じっとしているのは、

眠っているときだけだ。

 

庭の隅に梅の木があった。

ちょうど、梅の実の生る季節で、

その年も、たわわに実っていた。

 

地面に落ちた梅の実を、子猫がつつく。

梅の実は硬くて、すこしいびつだ。

おもしろい転がりかたをする。

それをめがけて、

バッと、いっせいに5匹が駆けだす。

じゃれる!じゃれる!

むらがって、くんずほぐれつ、

まさに、サッカーやラグビーのようだ。

猫は人のようには笑わないが、

きっと、きゃーきゃー、はしゃいでいるんだろう。

 

そうしているうちに、眠くなってくる。

だれかが、突然、コテンと、寝落ちする。

すると、まるで約束したみたいに、

あちらでもコテン、こちらでもコテン。

5匹の子猫は寝てしまうのだった。

 

この無垢なかわいさは、なんだろう。

ちょっと、ずるいなぁ・・。

 

さっきまで遊んでいた梅の実が、

梅の木の根元のくぼみに、

3個、ひっそりと並んでいた。

まるで、おもちゃ箱の中に、きちんと片づけたように。

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