第二部Ⅵ   ①凛の体重

飼い猫

第二部Ⅵ   ①凛の体重

 

凛はスレンダーな猫だ。

小さなころは、
週に一度は体重を計測していたけれど、
八歳の今は年に数回である。

そもそも抱っこされるのが嫌いな猫なので、
抱っこのついでに[ギュッ!]ときつく抱かれて、
おかしな乗り物(普通の体重計)に乗っかられては、
凛的には『たまらなくいやな感じ』らしい。

ふだんでも、体重計のあたりは遠巻きである。
そんなわけだから、こちらも、
凛の嫌がることは極力しないでおこうと思っていた。

最近、なんだか凛は大きい気がする。
しげしげながめて見るに錯覚ではないようだ。
腰回りにはしっかりと肉が付いている。

半年前に測ったときは3.8㎏だったが、
今の感じでは、そればかりではなさそうな気配。

仕方がない、測ってみるか。
[しっかりと伝える]ことが凛には大事である。
嫌なりに納得させないとね。

「これから体重を測ります」
ポケっと油断している凛を、さっと抱っこ。
嫌がる間もなく体重計に乗る。

結果、4.1㎏もあった!
なんと、300gも増えていた!
トレイにこんもり盛られた300gのお肉。
なかなかの量ではありませんか!!!

凛はスレンダーな猫だった・・・

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