(Ⅻ)にゃんこ亭の猫たち ①ペコの死(2011年)

花かんざしにかこまれて庭猫 
花かんざしにかこまれて

(Ⅻ)にゃんこ亭の猫たち

①ペコの死(2011年)

 

М氏から、ペコの具合が悪いという連絡があった。
1999年に私が保護して、
一度は飼うことに決めた猫だった。
娘のアレルギーが出て、
手放すことになってしまったが、
猫好きのМ氏に飼ってもらえた猫である。

会いに行くたび、私にしがみついて、
連れ帰ってもらえるものと信じていたペコ。
それなのに、しがみついた小さな手を、
いつも引き離して私はひとりで帰っていった。

ペコはいつしか、はっきりと私を拒絶しはじめた。
捨てられた!と思ったのだった。
会いに行くとパッと外へ出て、
猫ドアにへばりついたまま、私をにらんだ。
『いつまでいるの!
早く帰ってよ!』というように。

捨てた相手がいつまでも顔を見せる・・
ペコにとっては、訳の分からないことだったろう。

2011年1月28日。
ペコは虹の橋を渡った。
12さいだった。

「花かんざし」の小さな鉢を、お供えした。
花かんざしという名の可憐な花は、
子猫時代のペコを思い出させる花だった。
可憐なのに強くて、
強いのに、はかなげで・・

 

花かんざし

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