(6)5匹の子猫 ⑦心配の種 (9月下旬)

庭猫 
心配の種・・・

(6)5匹の子猫 ⑦心配の種 (9月下旬)

 

秋の気配が漂ってきた。

子猫たちは、どんどん成長している。

この間まで10歳ぐらいの少女だったのに、

いまや花も恥じらうお嬢さん猫という風情。

親離れの時期にきたようだ。

その証拠に、ぞうきん猫は留守がちだ。

 

子猫たちは全員女の子だ。放って置いたら、

ネズミ算式(猫だけど)に増えていくだろう。

・・気の重いことだが、

去勢(避妊)手術を急がなければならない・・。

焦る気持ちの一方で、

猫の(人生ならぬ)猫生を、人が勝手に決めていいのか!

・・そんな葛藤も渦巻く。

 

5匹の手術となると、出費もかさむ。

自由猫なら割引いてくれる病院もあるらしいし、

申請をすれば、市から補助も出ると聞いた。

 

ぐずぐず悩んでいる時間はなさそうだ。

オス猫の鳴き声が聞こえだしていた。

『おいら、さば猫のイケメン!』

『お嫁さん募集中!』

宣伝のビラを貼るかのように、

強烈な臭いのスプレーをふりまいている。

 

さて、どうやって5匹を捕獲したらいいだろう。

子猫食堂のおばさん(わたし)にさえ、

『しんじないもん!』って、

とんがった三角の目付きをする子猫たちだ。

 

手術した後だって、心配はあった。

飼ってくれる家族を見つける間は、

わたしの家の中に置くことになる。

軽いとはいえアレルギーのある娘と、

5匹ものムクムクたちは、

はたして同居できるのだろうか・・。

 

心配の種は尽きなかった。

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