（Ⅹ）にゃんこ亭の猫たち ⑥きれい好き
一日の終わりに、
牙の先で 爪をしごき、
一本一本の汚れを落とす。
それが済むと、
ふくふくとした 薄桃色の肉球を
ざらついた 花びらみたいな舌で、
ペロンペロン
しゃぶるみたいに なめまわす。
毛繕い2
そして、
耳のうしろから
半円を描くように、
グーイ グーイと洗う。
また 肉球をペロンペロン。
頬をなでまわし、
目もとを洗い、
口もとをぬぐう。
毛繕い3
のけぞるように、
ぐるりと頭をまわし、
ざらついた 花びらみたいな舌で、
首の後ろから背中へ
お腹からお尻
そして しっぽの先までも、
ていねいに なめつくす。
毛繕い4
爪でひっかくようにして歯も磨き、
ヒゲには キュキュッとひねりを加える。
毛繕い5
朝になると、
また 一からやりなおし。
飽きもせず、
使命か何かのように、
幾度も幾度も くり返す。
白い鼻柱に、
ビロードのような縦ジワをよせながら、
眼をほそめつつ、
なめ 拭き 磨く。
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