(Ⅹ)にゃんこ亭の猫たち ④ダラーン
家の中のお気に入りの場所で、
ぐっすりと眠り込んでいるときでさえも、
「ダイちゃん。ダンランよぅ」というと、
眠い目をしながら、
ノソノソ這い出してくるのだった。
太ったお腹からの連想で、
いつのまにか、
「ダラーン」という擬態語が、
「団欒」を指すようになった。
「ダラーンよ」というと、
なんだかウキウキと
リビングに移動して、
お気に入りの場所に陣取る。
![脚の上で](https://nekotukai.com/wp-content/uploads/2022/01/Image337-225x300.jpg)
脚の上で
お気にいりの場所は、
その時々で 変わったが、
いつでも大好きだったのは、
わたしの膝を覆う、
キティちゃんの赤いブランケットの上。
膝に掛けるや、
『待ってました』とばかりに、
のっしのっし 乗ってくる。
7,8キロの猫は、ずっしりと重い。
だんだん、しびれてくる。
『さわるんじゃねぇ』と、ごろついた猫は、
誉められて、高みをめざし、
こうも あっさり、人恋しくなった。
ゴロゴーロ、ゴロゴーロ、
ご機嫌で『のどうた』をうたう。
脚のしびれは極限に達する。
こまったな、と思っている・・
と、それが わかるのか、
すっと、おりて、
『飽きちゃった』とでもいうふうに、
大きな あくびをするのだった。
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