(Ⅹ)にゃんこ亭の猫たち ④ダラーン

いい湯だな~ 飼い猫
いい湯だな~

(Ⅹ)にゃんこ亭の猫たち ④ダラーン

 

家の中のお気に入りの場所で、

ぐっすりと眠り込んでいるときでさえも、

「ダイちゃん。ダンランよぅ」というと、

眠い目をしながら、

ノソノソ這い出してくるのだった。

 

太ったお腹からの連想で、

いつのまにか、

「ダラーン」という擬態語が、

「団欒」を指すようになった。

 

「ダラーンよ」というと、

なんだかウキウキと

リビングに移動して、

お気に入りの場所に陣取る。

脚の上で

脚の上で

 

お気にいりの場所は、

その時々で 変わったが、

いつでも大好きだったのは、

わたしの膝を覆う、

キティちゃんの赤いブランケットの上。

 

膝に掛けるや、

『待ってました』とばかりに、

のっしのっし 乗ってくる。

7,8キロの猫は、ずっしりと重い。

だんだん、しびれてくる。

 

『さわるんじゃねぇ』と、ごろついた猫は、

誉められて、高みをめざし、

こうも あっさり、人恋しくなった。

 

ゴロゴーロ、ゴロゴーロ、

ご機嫌で『のどうた』をうたう。

 

脚のしびれは極限に達する。

こまったな、と思っている・・

と、それが わかるのか、

すっと、おりて、

『飽きちゃった』とでもいうふうに、

大きな あくびをするのだった。

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