(Ⅸ)にゃんこ亭の猫たち ⑤邪魔をする猫
書き上げた原稿をプリントアウトして、
リビングのテーブルに広げていると、
ドシ!っと原稿の上に鎮座して、どいてくれない。
取り上げようとすると、紙に爪を出す。
まるで穴あけパンチみたいに小さな穴が開く。
しかたがないので、飽きるまで座らせておく。
すると、いかにも文章を練っているような顔をして、
お仕事している雰囲気をかもしだす。
![推敲する猫](https://nekotukai.com/wp-content/uploads/2021/12/ea2da9591f7591393da5ece7dbb13302-300x197.jpg)
推敲中
大吉にとっては、わたしが仕事机に座り、
ひとりごとを言いなどしながら、
パソコンやら原稿用紙やらに向かっているのは、
どうやら我慢ならないことのようだ。
(同じような理由で電話も嫌いらしい)
自分に眼を向けるように、いろんな要求をする。
『なんかたべたいナ』と、かわいく懇願してみたり、
『なでなさい』『抱っこさせてやろう』と、
ときには威張ったりして、さかんにアピールする。
それでも、効果のないときには、
パソコンに飛び乗り、キーボードの上を歩く。
スクリーンには意味不明の文字が列を作る。
wwww3k9mpppp」」
原稿用紙なら、その上に寝そべり、
紙をぐちゃぐちゃにしてくれる。
そして、そこで、寝たふりをする。
そのままの格好で持ち上げようとすると、
グーの手をして、原稿用紙をわしづかみにする。
ワルモノである。
![ふて寝する猫](https://nekotukai.com/wp-content/uploads/2021/12/31b3a9d037458348c423bec378bb41c0-300x178.jpg)
ふて寝中
わたしに言わせれば、
「外で遊んで来たらどうよ」だ。
しかし、そんな時に限って、外には行かない。
そして、うろうろと歩き回っては、
イエーンとか、ウオーンとか聞こえる声で鳴く。
それも、大声で朗々と。
なかなかの声量である。
ゴンドラのおじさんが唄うカンツォーネって、
きっと、こんな感じじゃないのかな、と笑える。
コメント