第二部Ⅴ ⑨寝よう会クラブ
最近のこと。
凛は私のベッドの足元で寝ている。
凛専用のベッドがあるにもかかわらず、である。
いったい何故なの?
暑くなってからの出来事なんだよね~。
夜中、ややもするとモフモフした毛に足がふれる。
そのたびに、ビックリする。
蹴るかもしれないと思っているから、
どうも熟睡できていない。
じっさい、蹴っていることもあって、
寝言のように、「・・ごめん」とあやまっている。
その自分の声で、ハッと目覚めたりする。
寝ぼけまなこで、足元に目をやると、
ものすご~く伸びて寝ているのが見える。
白いシーツに黒い猫なので、夜目にもくっきりだ。
凛のベッドは冬仕様なので、天蓋つきである。
それがうっとうしいのかもしれないと思いついて、
きれいさっぱり天蓋を取りはらってみたけれど、
やっぱり自分のベッドには戻らない。
深夜零時・・・
『さ、ねましょう』
凛からのお誘いがかかる。
「もうすこし待って」
『しょうがないわね~』
三十分後。
『さ、ねましょう』
「もうすこし待って」
さらに三十分後。
『さ、ねるよ!』
三度目のお誘い。
凛の眼は真剣そのもの。
ちょっと怒りもふくんでいる。
・・仕方がない。
【寝よう会クラブ】会長凛。
そこの会員らしいのね、私は。
入会した覚えはないんだけどなぁ・・・
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