第二部Ⅳ ★番外編 12年目の3・11

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流された松で作られた供養札

第二部Ⅳ ★番外編 😿12年目の3・11

 

陸前高田の【一本松】は、
震災のシンボルとなって、すっかり有名になった・・・

震災前まで、高田松原と親しまれていた浜には、
7万本を超える松の木が防風林として植えられていた。
白い砂浜と青々とした松の木々は美しくて、
白砂青松を絵に描いたようだった。

背比べしているような松の木たちを尻目に、
中に一本、群を抜いて背の高い松の木があった。
むしろ不格好に悪目立ちしていたように思えた。

遠くからでも、すぐにそれと分かって、
あの松はなにをそんなに目立ちたいのかと、
なんだか面白くなく思って見ていたのだった。

津波の後で、一本残った松の木が、
ひときわ目立っていた例の松の木だと知った。
・・そうか・・おまえだったか・・

太くしっかりと根を張って、
あの大津波の怒涛にも耐えぬいたのだろう・・

ひたひたと胸いっぱいに感動が広がって、
私はいつの間にか泣いていた。
あれから12年経つ。

震災関連死者数 2万2221人
合掌

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