⚫最終章
⑩満身創痍
体重はほぼ半分の4・2㎏。
昨日までは、耳のマッサージをすると、
気もちよさそうにしていたのに、
今日はいやがるそぶり。
よく見ると、左耳の後ろ側が黒っぽい。
大吉は、ケンカ大好きのやんちゃ猫には似合わず、
耳の後ろや鼻や肉球がピンク色。
一見、おじょうちゃんといった雰囲気の猫なのだ。
本来、ピンクに透けている耳の部分が、
黒っぽくなっているということは、
・・そのあたりまで、
病巣が広がってしまっているということだろうか。
眼も閉じてしまいそう。
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君の目はもはや見えない
君の鼻はもはや利かない
・・けれど
体は覚えている
ベッドは ついたての前
トイレはローボードの横
水はピアノのとなり
すこし離れていようとも
・・いまの君に
[すこし]がどれだけ長かろうとも
その配置を替えてはならない・・
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