(Ⅺ)にゃんこ亭の猫たち
⑧狩りをする猫
大吉は狩りをする。
身を低くかまえて、
ぴたりと伏せる。
耳もキュッと引き寄せて、
ほぼ平らな状態になっている。
きっと、
地面に変身している、と
本人(猫)は思っているに違いない。
眼はじっと一点に集中する。
緊張感がピリピリみなぎる。
ときおり、しっぽがユラリとゆれる。
どうやら、気持ちのバランスをとっているらしい。
と、ふいに、バッ!
一直線に、
あるいは、弧を描いて、
大吉は飛びかかる。
前足には、しとめた獲物。
春ならトカゲ。
夏ならバッタやカマキリ。
そのときの、見てたよね!という顔の、
なんと自慢げなことか。
・・あのね・・
おみやげなんぞは、いらんからね。
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