(Ⅶ)にゃんこ亭の猫たち ③首輪騒動 (2007年正月)
にゃんこ亭を訪れるМ氏宅の猫たちに、
お年玉代わりの首輪を用意するようになっていた。
さて、来年はどんな首輪が良いだろう。
師走に入ってからというもの、あれこれ心づもりしながら、
犬や猫のおしゃれグッズを扱うお店を、何軒か見て歩いていた。
首輪には、必ず小さな鈴が付いているが、
耳の良い猫たちにとっては煩わしいだろうと、わたしは思う。
だから、新しい首輪であっても鈴を取り除き、
別あつらえのペンダントを付けてあげるのが、わたし流。
夕食のときに、大吉の話題が出た。
いわく、「首輪をどうするか?」という事が問題だった。
夫も娘もわたしも、「大吉は嫌がるだろう!」と考えた。
満場一致である。
首輪には、どうしたって[束縛]という意味が付いて回る。
外猫で自由を謳歌している大吉には、似合わない。
ということで、クロミ、ミケ、タクちゃんの首輪を買い求めた。
お正月になった。
猫たちは、いつも通りに、朝八時には集合していた。
もちろん、その中には大吉もいた。
四匹そろって、濡れ縁に陣取り、オープン待ちだ。
カリカリを食べ終わったら、新しい首輪に替えてあげよう。
先ずクロミちゃんから。
白い首輪に丸い大きなビーズのペンダント♡
ミケちゃんは、赤い首輪に黄色い涙型のペンダント♡
タクちゃんは、青い首輪に銀のライオンのペンダント♡
いつもの順番通りに並ぶところが、なかなか面白い。
大吉が四番目に並んでいる。
困ったな・・まさか、欲しいのかな?
いよいよ大吉の番だ・・が。
「大吉には、無いの。だって、嫌だろうと思って」
大吉は、ワクワクしている顔から、一転。
くやしそうな顔になって、ぐるりとお尻を向けると、
シャー!おしっこを掛けたのだった。
間一髪、ドアを閉めて、セーフ!!
翌日、大吉の首輪を買い求めた。
まだ、ペンダントは無理だと思ったので、
その代わりに、バンダナ付きである。(上の写真)
首輪をしてあげると、満足げな顔つきになった。
そのときの、うれしそうな顔もだが、
自分だけ、首輪がもらえない時の、
くやしそうな顔も、どちらも忘れがたい。
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