第二部
①猫があらわれた!
ある日、猫が庭にあらわれた!!
まだ幼そうな猫で、ハナミズキの陰から、
すらりと長いしっぽがのぞいた。
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あまり私がしょげかえるものだから、
夫は、庭にまた猫が迷い込んできたら、
その猫を飼おう、などと言っていた。
「それこそが大吉の望みじゃないのか」と。
(最終章Ⅱ ⑧怒りの声かもしれない)➡
しかし、クロミ嬢(里帰り猫 ご紹介ページ ①クロミちゃん)➡
が虹の橋を渡ってからというもの、
私の庭では閑古鳥が鳴いていた。
猫の兄さんたち(「にゃんこ亭(猫来庭)に来る猫たち」)➡
で賑わっていたのは、
フェロモンむんむんのクロミ嬢目当て!!
決して、猫使いのオバ目当てではなかったわけだ。
そういうわけだから、
待っても待っても猫は来なかったのだが・・
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少し前に、庭前の道の方から、
『あーん あーん』
のんきそうに鳴く猫の声が聞こえていた。
切羽詰まっているようではなかったから、
当然、飼い猫だろうと思った。
「にゃーん にゃーん」
私は部屋の中で小さく鳴きまねをしたが、
猫の声はしだいに遠ざかって行ったのだ。
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ドアを開けると、寄ってきた。
人恋しそうに。
美しい漆黒の猫だった。
あのときの声の主かもしれない。
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