(Ⅴ)にゃんこ亭の猫たち ②ウチの猫となる

ペコ 飼い猫
セピア

(Ⅴ)にゃんこ亭の猫たち ②ウチの猫となる

 

猫は、べっ甲模様の女の子だった。

顔の真ん中あたりを区切るように、

黒い十字の模様が走り、それが、

この小さな猫に、なかなかの迫力を出していた。

しかし、迫力の陰に、利発そうな顔が見える。

 

捨て猫らしいということが分かってすぐに、

首を締め付けているような首輪をはずした。

首回りの毛がすり切れて痛々しいほどだった。

それでも猫は平気そうで、

ガブガブ水を飲み、大きな缶詰を一缶たいらげると、

パタンと倒れるように眠ってしまった。

食べた缶詰分、お腹がパンパンにふくれて、

小さな頃のわたしの相棒だった、ミルク飲み人形を思い出させた。

 

ともかく、飼ってくれる人を見つけなければ・・。

何人かの知り合いに電話をしたが、

どの人もすでに飼っていて、はかばかしい返事はなかった。

 

庭に来る外猫ばかりを相手にしていたので、

家にいる猫に関して、わたしは初心者だった。

加えて、家猫にとっての必要なものが無かった。

無いと困る最たるものはトイレだったのに、

そのことに思い至ることさえなかったから、

子猫は、ほどなく、クッションの上で用を足した。

「ウワーッ、たいへん!!」

それを叫びたかったのは、子猫のほうだったろうに・・。

 

それでも、わたしたち家族に囲まれて、

子猫はすっかり安心しているようだった。

その姿を見ているうちに、わたしたちは、

飼わなければいけないような気もちになっていた。

 

その日の夜までには、家族みんなで、

あれやこれやと、猫のためのグッズを買い揃えて、

なんとか猫飼いとしての体裁は整った。

 

ピンクのかわいいベッドがたいそう気にいって、

すぐに、そこが自分の寝床だと分かったようだった。

べっ甲色が、ピンク色によく映えた。

猫のベッド

ピンクのベッド

 

新しい首輪は黄色にした。

猫が動くたびに、鈴がチャリチャリと音を立てた。

ペコ

黄色い首輪

 

そして、家族で、名前を決めた。

・・【セピア】と。

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