(1)はじめに
わたしの庭に来た猫たちのことをお話します。
いまから30年以上もさかのぼりますので、写真のない猫たちもいます。
当時は携帯電話もない時代で、猫を撮影するためにカメラを取りに家に戻ると、もう庭から猫の姿は消えていました。運よく庭に残っていても、ピントを合わせている間に、逃げていくしまつでした。
でも、カメラに頼ることができなかったからでしょうか。わたしの記憶の中には、庭に訪れた猫たちが、今も鮮やかに残っています。それぞれの鳴き声や性格、まなざし、模様、陽ざしに光る毛並みなども。
ペンダントをあれこれとえり好みした猫は、思った通りのペンダントが手に入ったときに、オペラ歌手のように歓喜の歌をうたったものです。ステージ代わりの物置の上で、『グルゴローン、ニャンゴロローン、ニャニャリーン』と堂々とうたう様子は、伝説の歌姫、マリア・カラスのようでした。
飼い猫のように、首輪をほしがった地域猫もいました。
朝一番に庭に来ても、三番目の序列の猫はかならず三番目、というように、猫たちには序列がありました。自由に見える猫たちでも、なにかしらの取り決めの中で生きていたらしいことなど、お話していきたいと思います。
時系列でお話していきたいと思います。ときに、まわりくどく長文となるかもしれませんが、
どうぞ、お付き合いくださいますよう、お願いいたします。
チョン、チョン、チョン
はじまり はじまりー ♡
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