(4)マント嬢 ⑦疑問 (1994年 2月)
年が明けて、2月に入ると、
マント嬢は、長く居続けることが多くなった。
どれくらい長くか、というと、
朝8時から夕方5時過ぎまで、というぐあい。
たまには外に出るものの、すぐに戻ってくる。
そして、ほとんど、ぐっすり眠って過ごす。
そうとうくたびれている感じだ。
いったい、なにが起こってるんだろう・・。
それまでは、
用意しておいたおやつを食べると、
ゴヤの「裸のマハ」のように優雅この上なく寝そべり、
「美しい猫ね!」という賛辞に目を細め、
すこしだけウトウトして、
『じゃ、またくるね』と、
あっさり帰って行く猫だった。
長く居てくれた時でも、せいぜい1時間程度。
半年間、そんなお付き合いが続いていたのに、
いったいどうしたことだろう。
わたしたちにとっては、それまでの関係が、
あっさりしすぎて物足りなかったから、
長く居てくれるのは、しあわせだったが・・。
娘は、自分が小学校から帰るまで居てくれるものだから、
「ぜーったい、うちの猫になりたいんだよ!」
喜色満面で、きっぱりといった。
・・はたして、そうなのだろうか?
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