第二部Ⅱ ⑧猫ばば

飼い猫

第二部Ⅱ ⑧猫ばば

 

ばば隠し という言葉がある。
辞書によると[ばば]は幼児語で、[大便のこと]とある。
汚いもののたとえらしい。

[猫ばば]となると、猫のフンもさることながら、
猫ばばをきめこむ、などという使い方で、
拾ったものなどを着服する事、の意となる。

猫がフンをしたとき、
一生懸命に土をかけて隠す様子が、
いかにも悪いことを隠してように見えるのだって。

これって,猫に対して失礼じゃないの、ねぇ。
むしろ、[きれい好き]とか、
[奥ゆかしさのあらわれ]とか、
[心遣いのできること]とか、
もっと、別の意味をもたせてほしいわ~。

★そこで、今日は、凛ちゃんの[ばば隠し]のはなし。

ケージの中のトイレで、夜にウンチをすると、
しっかり猫砂で覆い隠したとしても、凛は嫌だと思うらしい。
ベッドは2階、トイレは1階だとしてもね。

彼女は、いろいろ考えた末(猫もくふうする)、
ケージの[中二階]に敷いているケットで隠すことにした。
朝のケージの中は、ケットが1階のトイレ全体を覆い、
トイレの中には、猫砂で大げさに隠されたウンチがあった。

なんて、奥ゆかしい!と私は思ったものだった。

さて、ケットはトイレの上に落とされているので、
見た目がきれいでも、そのつど洗わなければならない。

だんだん私は面倒になった。

[凛の寝室はケージの中]と決めていたのだけれど、
とうとうケージはお払い箱となったのである。
凛も、せいせいしたように見える。

 

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