(Ⅸ)にゃんこ亭の猫たち ⑦猫大王ごっこ
カーテンの下
グーパーしながら
シャキーン!
ときおり
白く とがった爪がのぞく
ワクワクしながら
ひそんでいる
『ボクヲ ミツケテゴランヨ』
猫大王ごっこの はじまりだ
「あ!ネコダイオウ!」
さも怖そうに 叫んであげる
さらにするどく腕をのばす
広げた指の間から
キラリ☆
三日月みたいな爪が光る
指は あんがい長くて器用
ネコジャラシを握る
放して つかんで ふりまわす
そのあいまに
わたしの手にタッチする
シュル・・
上手に爪をしまう
それでも うっかり爪が出る
わたしの指には血がにじむ
『・・ぉぁぁ・・』
そのときの
ネコダイオウときたら
見るも気の毒なほど
・・うなだれる
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