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(Ⅴ)にゃんこ亭の猫たち ⑧タクちゃんの【ふたつの顔】

(Ⅴ)にゃんこ亭の猫たち ⑧タクちゃんの【ふたつの顔】 タクちゃんは、穏やかな男の子猫だ。 荒々しい振るまいは、見たことがない。 ある日、わたしに抱っこしているときに、 庭の向こうから雄猫たちの争う声が聞こえた。 「あら、近くでケンカしてる...
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(Ⅴ)にゃんこ亭の猫たち ⑦美猫なのに・・

(Ⅴ)にゃんこ亭の猫たち ⑦美猫なのに・・ ミケちゃんは三毛猫である。 両耳は黒。 鼻筋は白く通っている。 両目からほっぺにかけては、薄い茶色。 胸もとは輝くように白く、四本の脚も白い。 背中には程よく茶と黒を置き、しっぽは茶色という、 た...
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(Ⅴ)にゃんこ亭の猫たち ⑥おしゃべりする猫

(Ⅴ)にゃんこ亭の猫たち ⑥おしゃべりする猫 クロミちゃんは人語をしゃべる。 最初は、真似だったと思う。 でも、「真似る」は「学ぶ」!でしょ♡ 最初の言葉は、『おあよー』だった。 それが、はっきりと『おはよう』と、 発音できるようになるまで...
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(Ⅴ)にゃんこ亭の猫たち ①迷子の子猫 (2000年 8月下旬)

(Ⅴ)にゃんこ亭の猫たち ①迷子の子猫 (2000年 8月下旬) その子猫は、買い物帰りのわたしの足元に、 ぶち当たるようにして寄ってきた。 歩道の低木の陰から、ふいに飛び出してきたのだった。 首輪をしているから、飼い猫だろうと、 そのまま...
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(Ⅳ)にゃんこ亭の猫たち ⑥ペンダントの話  💎その3『好みがあるの』

(Ⅳ)にゃんこ亭の猫たち ⑥ペンダントの話 💎その3『好みがあるの』 なにはともあれ、白い筒状のペンダントが出てきたわけだから、 物置の上に鎮座しているクロミちゃんの首に掛けた。 ・・ものすごい形相で、ある動作をくり返す。 下の牙で、首のあ...
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(Ⅳ)にゃんこ亭の猫たち ⑤ペンダントの話  💎その2『わたしのものよ』

(Ⅳ)にゃんこ亭の猫たち ⑤ペンダントの話   💎その2『わたしのものよ』 「あら?また、なくなってるじゃないの?」 昨日、見つかったはずの白いペンダントが、 またまた、クロミちゃんの首から消えてしまっていた。 わたしの驚きに、クロミちゃん...
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(Ⅳ)にゃんこ亭の猫たち ④ペンダントの話   💎その1『失くしてしまったの』

(Ⅳ)にゃんこ亭の猫たち ④ペンダントの話   💎その1『失くしてしまったの』 黒いゴムにビーズを通しただけの簡単な首輪を、 クロミちゃんとタクちゃんに作ってあげてから、 三週間ほど経った頃のこと。 【(Ⅲ)にゃんこ亭の猫たち ⑦最初の首輪...
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(Ⅳ)にゃんこ亭の猫たち ③もうひとつの別れ(ニセマンの去った翌日に)

(Ⅳ)にゃんこ亭の猫たち ③もうひとつの別れ(ニセマンの去った翌日に) ニセマンが、にゃんこ亭から姿を消した翌日、 獅子丸もまた、居住まいを正して、わたしに別れを告げた。 【(8)にゃんこ亭の猫たち ⑨獅子丸くん 参照】➡ 男子猫の宿命なの...
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(Ⅳ)にゃんこ亭の猫たち ②別れの日

(Ⅳ)にゃんこ亭の猫たち ②別れの日  ニセマンの体調は、前よりも格段に良くなっていた。 食欲も出てきていたが、 いったん落ちた筋肉は、なかなか戻らない。 骨ばった臀部が、痛々しいくらいに尖って、 歩くときに、脚がかすかに震えていた。 季節...
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(Ⅳ)にゃんこ亭の猫たち ①ボス猫の老い・・ (2000年 秋)

(Ⅳ)にゃんこ亭の猫たち ①ボス猫の老い・・ (2000年 秋) このあたりのボス猫だったニセマンにも、 老いがしのび寄ってきたようだった・・。 【(8)にゃんこ亭の猫たち ⑧ニセマン 参照】➡ ニセマンには、ボス猫としての矜持があるらしく...