庭猫 

(Ⅶ)にゃんこ亭の猫たち ⑥惚れた弱み

(Ⅶ)にゃんこ亭の猫たち ⑥惚れた弱み  クロミちゃんは、大吉を疎ましく思っている。 それは間違いなさそうだった。 物置の上に陣取り、端のほうにちんまり座る大吉を、 シャー! 火を噴いて追い詰めていって、庭に落とした。 体勢を整える間もあら...
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(Ⅶ)にゃんこ亭の猫たち ⑤戦う猫

(Ⅶ)にゃんこ亭の猫たち ⑤戦う猫 大吉が我が家の猫になったとはいっても、 それは、わたしたちの思い込みでしかないのだった。 束縛されることが嫌いな大吉にとっては、もっと大雑把で、 人恋しい時だけ、家の中に入りたい、というもののようだ。 だ...
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(Ⅶ)にゃんこ亭の猫たち ④去勢手術 (2007年4月)

(Ⅶ)にゃんこ亭の猫たち ④去勢手術 (2007年4月) あいかわらず、ケンカに明け暮れていたものの、 外断熱のハウスも持ち、首輪も付けることになった大吉は、 ほんの少し、穏やかな顔つきになったように見える。 白い毛並みは、かがやくように白...
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(Ⅶ)にゃんこ亭の猫たち ③首輪騒動 (2007年正月)

(Ⅶ)にゃんこ亭の猫たち ③首輪騒動 (2007年正月) にゃんこ亭を訪れるМ氏宅の猫たちに、 お年玉代わりの首輪を用意するようになっていた。 さて、来年はどんな首輪が良いだろう。 師走に入ってからというもの、あれこれ心づもりしながら、 犬...
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(Ⅶ)にゃんこ亭の猫たち ②大吉ハウス

(Ⅶ)にゃんこ亭の猫たち ②大吉ハウス 名付けたとたん、姿を消した大吉は、 ひと月後、白い毛をグレーに染めて庭に戻って来た。 師走の風が、冷たく吹き付ける頃だった。 鼻のあたりを斜めに横切るように、引っかき傷がみえた。 別の土地で、縄張り争...
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(Ⅶ)にゃんこ亭の猫たち ①名前は大吉

(Ⅶ)にゃんこ亭の猫たち ①名前は大吉 白黒猫が抱っこしたことで、名前を決めることにした。 額のところが[人]のような模様だから、 「八」とか「大」とかの入る名前にしよう、と考えた。 八兵衛・・なんだか、おっちょこちょいの代名詞みたいだ。 ...
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(Ⅵ)にゃんこ亭の猫たち ⑨抱っこ白黒猫 (2006年)

(Ⅵ)にゃんこ亭の猫たち ⑨抱っこ白黒猫 (2006年) K子さんから「白黒猫の去勢手術をしてほしい」という電話があった。 「あなたの庭にずっといるのだから、つかまえてよ!」という。 「そのうち旅に出ていくわよ、男の子ですもの」 応えるわた...
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(Ⅵ)にゃんこ亭の猫たち ⑧4番目の猫

(Ⅵ)にゃんこ亭の猫たち ⑧4番目の猫 にゃんこ亭には白黒猫だけが残った。 K子さんの情報は、正しかったようだ。 白黒猫いっぴきだけだと、静かなものである。 白黒猫だって雄猫だから、どのみち旅に出るだろう、 そう思って、放って置いた。 しか...
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(Ⅵ)にゃんこ亭の猫たち ⑦戻ったり離れたり

(Ⅵ)にゃんこ亭の猫たち  ⑦戻ったり離れたり 二匹の男の子猫たちーーハンサムくんと白黒猫はーーは、 毎日のように、ケンカに明け暮れていた。 しかも、そのケンカはにゃんこ亭の庭で繰り広げられた。 そのことが、わたしの悩みの種だった。 ケンカ...
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(Ⅵ)にゃんこ亭の猫たち ⑥二匹の男の子猫 

(Ⅵ)にゃんこ亭の猫たち ⑥二匹の男の子猫   ハンサムくんが現れたのは、2003年の夏だった。 白黒猫は、同年の秋。三か月ばかり後になる。 ともに男の子猫であった。 男の子であるということは、この二匹、テリトリーをめぐって、 戦いを繰り広...